在宅 ヘルスケア & 在宅ケアのあらまし
オーストラリアの在宅 ヘルスケアと在宅ケアは世界中でその優秀さが認められています。オーストラリアの高齢者は、自分の人生は自分で決め、自分で責任をとっていくという態度を身につけている人が多く、自宅で自立して暮らしていきたいという希望が強く見られます。そのために1980年代の半ば以降、在宅高齢者を医療面や介護面で支えるためのいろいろな方法が模索されてきました。入院回避のバックアップシステム、病院から在宅への移行期ケアの充実、医療と福祉の連携、在宅ケアのケースマネジメントの重視など、様々な工夫が見られます。各医療福祉施設や団体はお互いに連絡を取りつつ、パートナーとしての意識をもって全体のシステムを支えています。
在宅ヘルスケア & 在宅ケア機関例
<コミュニティ・ケア・イースト>
運営母体はコミュニティ・ケア分野で長い歴史をもつベネボラント・ソサイエティです。軽介護施設に入居が必要なレベルの高齢者を在宅でみていくCACPというプログラムは、すでに日本でも知られていますが、オーストラリアで最近注目されているのは、その上のレベルで、これまでならば当然重介護施設に入居を余儀な くされていた、重度介護の必要なお年寄りを、在宅でみていくEACHあるいはEACH-Dというプログラムです。EACH(一般)やEACH-D(認知症)は対応が難しいので、その提供が許されている団体はまだ少なく、コミュニティ・ケア・イーストの活動の成果が期待されています。
<訪問看護協会>
全州をカバーしている訪問看護サービスで、各地域にセンターがあります。以下は活動内容の一部です。
- 一般看護(創傷ケア、抗生物質の静注、スキンケア、疼痛管理、投薬など
- 高齢者や障害者、慢性疾患を抱える人たちへのサポート
- 回復期における指導
- 終末期にある患者とその家族へのサポート
<GP スーパークリニック>
オーストラリアの政府は、よりよいプライマリー・ヘルスケアのシステムを作るため、6億5千万ドルをかけて全国で60のGPスーパークリニックの設立を計画しています。GPスーパークリニックの設立により、高齢者の慢性疾患に対する医療が改善され、不必要な救急外来の利用や入院が回避され、病気の予防やヘルスプロモーションも向上されることが期待されています。皆様には最近オープンされた、シドニー近郊のGPスーパークリニックを訪問して頂き、その役割やシステムをご理解頂きます。